2015年10月 7日 (水)

パンソリ「沈清歌」

今年も、パンソリを聴きに行ってまいります。

20150930091830350010

今回の演目は「沈清歌」です。

数年前に行ったとき、演者は安淑善(アン・スクソン)さんでした。

そののっけからの熱い演奏、振り絞るような歌声にとっても驚きました。私の前に座っていたおばさまは、それを待っていたかのように号泣するし…

その後は、安先生のお弟子さんたちにバトンタッチしたので、面白くなくなって、おばさまは寝ちゃうし、席を立つ音楽家らしき方もいらっしゃいました。

今度はどうなりますやら。楽しみです。

2014年1月13日 (月)

完唱パンソリ

久しぶりに、韓国国立劇場のHPを開いてみると、去年の秋から今年6月までのコンサート予定が出ていました。

20140102094402460010_2

昨年秋・9月は「興夫歌(興甫歌:フンボガ)」、10月は「春香(チュニャン)歌」、11月は「沈清(シムチョン)歌」だった模様です。

続きを読む "完唱パンソリ" »

2014年1月 6日 (月)

パンソリ「春香歌」2

パンソリの演奏に触れてみたいと思った私は、ソウル南山の国立劇場で、3月から12月までの間、月に一度、パンソリの演目を全曲演奏する催しがあることを見つけました。

また、母校の図書館では、民族文学の全集にあった「春香伝」も見つけました。これで、お話のあらすじは分かりました。オペラの対訳のようなものがないかと探しましたが、そこまで欲している人はまだいないのか、見当たりませんでした。

インターネットで調べた劇場におそるおそる電話して、パンソリの公演を見たいことを伝え、チケットを予約して出かけました。
そのとき、劇場までの道に迷って出会ったおじさんに、「劇場には何を見に行くの?」と聞かれ、『春香伝(チュヒャンジョン)』と言ったのに通じなくて困りましたっけ。CDでは確かに「チュヒャン」と言ってるのにです。(現代語ではむしろ「チュニャン」に近い発音です)
 
パンソリ公演が行われる劇場は、中ホールくらいの大きさでした。四角く区切られた舞台に、座布団が二つぽつんと置かれています。背景は、水墨画の垂れ幕が何本か。とてもシンプルな設えです。
ほどなく、前説?の男性が現れ、会場の観客にあれこれと説明しています。途中で、わあっという歓声も上がりましたが、私には何のことだか…。(その訳は、あとでわかりましたが。)
 
会場を見渡して、その観客層にまず驚きました。小学生や高校生、大学生といった子供からお年寄りまで、老若男女様々な世代の人たちが来ているのです。日本の伝統音楽の会場ではまず見ない光景です。それには、チケットがおよそ2000円という手頃な値段であることも手伝っているのでしょう。(ちなみに韓国・国立劇場で行われる国立歌劇団のオペラ公演は2万円以上します)
 
この日の歌い手は女性で、50代後半くらいの方でした。私が聴きなじんだ金素姫の歌い回しにちょっと似ていたせいか、韓国語はまだ分からないものの、それほど抵抗なく聴いていられました。
歌い手は、途中、太鼓打者を登場人物に見立てて言葉を交わしたりしながら、歌い継いでいきます。その様は、ほんとうに見事でした。
また、曲と曲の合間には、ちょっと時間を取って水で喉を潤したり、観客に挨拶したり言葉をやり取りしたりもします。そうやって、長時間にわたる演奏を乗り切っていくのです。
CDでは味わえない、生演奏の良さを実感しながら、私は聞き入っていました。
 
また、歌の合間にも、観客から「イョ〜ッ!」「オルシグ〜ッ!」「チョ〜ッタ!」といった間の手の声が飛びます。その中には、先ほど見かけた小学生の男の子らしき声もありました。その子が声をかける度に、観客もわあっと喜びます。
それらはまるで、歌舞伎で良い頃合いに「○○屋!」と声をかける谷町のように、実に良いのです。
それを受けて歌い手は更に調子を整え、気分を盛り上げていくのです。そして、観客は更に演者の舞台に引き込まれていきます。
 
途中、歌い手がつぎの歌詞に詰まってしまったことがありました。太鼓打者の声にもうまく反応できていません。どうなるのかとどきっとしたら、すかさず客席から次の歌詞を教える声が上がったのです。私は驚きました。客席から次の歌詞が飛ぶなんて…。
でも、歌い手は「ありがとうございます。ちょっと緊張してしまって…」と一言付けて、その先を歌い継いでおられました。観客もむしろ、「がんばれ!」「緊張しないで!」といった励ましの声をかけていました。
 
春香と両班の若様との別れの場面では、私の前に座っていた女性がハンカチを取り出し、しくしくと泣き出しました。また、妓生点呼の場面では、観客もともに緊張し、熱くなっていきます。そして終盤、二人の再会を喜ぶ場面では、客席にいた男性がおもむろに立ち上がって舞い始めたのです。それも、一人二人ではなく、また、あちこちで共に肩を振って喜んでいる人がいます。周りの観客も、それを受け入れて楽しんでいることに私は驚きました。
そこには、演目の一言一句を分かっている観客が、歌い手とともにその場面を楽しんでいる姿がありました。それはまるで、落語で、観客が演者と一体になって笑い悲しみ楽しむように。

この日の歌い手は彼女一人で、途中休憩を挟んで4時間半を越える公演でした。

しかし、歌い手一人の孤独な戦いではなく、演者と観客を含めたその場が一体となった素敵な空間が広がっていました。

2014年1月 5日 (日)

パンソリ「春香歌」

初めての韓国旅行の折、街のCDショップで、「一番有名な女性歌手の、有名な演目のものをください」と言って手に入れたのがこれ、パンソリ「春香歌」です。

Img_0949

 
これは、日本の浪曲や詩吟のように喉をつめて発声するのだとばかり思っていた私の先入観を払拭する、とても素晴らしい演奏でした。
あとになって、その歌い手が20世紀を代表する女性名唱・金素姫(キム・ソヒ)さんで、いま現役で活躍する歌い手たちの師匠でもあることを知りました。
 
パンソリは、一人の歌い手が、太鼓のリズムと太鼓打者の間の手だけで演奏します。オペラでいうレチタティーボ・セッコのような語りとアリアのような歌唱で、全てが歌い進められるのです。日本にたとえるなら、三味線一竿で語られる文楽の義太夫に近い音楽世界です。
 
もちろん、韓国語の、それも古い言葉で歌われる歌詞は、何を言っているのかさっぱり分かりません。添えられた解説書に書いてある解説や歌詞も、韓国語の読めない私にはさっぱりです。しかし、その歌唱の力強さ、独特の節回しやリズムが私を虜にしました。
 
そして、二度目の韓国旅行で訪れたソウル南山にある国立劇場での公演は、私をパンソリの楽しさに引き込んでくれました。

パンソリ

いま、気に入って見ている韓国ドラマ「相棒(チャクペ)」の挿入歌に、とっても素敵なアレンジで「パンソリ」の歌唱が使われています。
 
「パンソリ」って、皆さんご存知ですか? 
少し前に、NHK-BSの番組「旅のちから」で、シンガーの綾戸智恵さんが、現在のパンソリ名唱・安淑善(アン・スクソン)さんにパンソリを教わっていましたね。

私がパンソリに触れたきっかけは、イム・グォンテク監督の映画を見たことからでした。パンソリ唱者になるために放浪しながら研鑽する女の子の姿に圧倒された記憶。。

そのとき務めていた母校の図書館でパンソリのレコードを探しても、民族音楽集に収められたほんの数分の演奏しかなく、もどかしい思いをしました。というのも、パンソリは、1人で演奏するモノ・オペラのようなもので、一つの演目を全て演奏すると、4〜5時間はたっぷりかかるのです。(CDだと、全曲演奏のものは大抵5〜6枚で売られています)
 
その後、韓流ブームを受けて、韓国の文化はぐっと身近になりました。
大ヒットとなったドラマ「チャングムの誓い」で、挿入歌「オナラ」を歌っているのがパンソリを学んでいる女の子たちだというのはご存知の方も多いことでしょう。
それでも、韓国の伝統音楽に関する情報は、まだほとんど得られませんでした。
韓国に旅行しようと思い立ち、韓国観光公社に問い合わせて分かったのは、ソウル中心部にある劇場で、伝統音楽をオムニパスで聴ける公演があるということくらいでした。
 
ソウルの劇場で繰り広げられる競演には、パンソリはもちろん、伽耶琴の独奏や様々な民族楽器の合奏などがありました。日本のお琴や胡弓、竜笛に通じる民族楽器の、その乾いた音には新鮮な驚きがありました。
 
しかし、華やかではあるもののミュージカルのように改編されたステージと、ピン・マイクを付けた歌唱には魅力が感じられませんでした。
むしろ、正統な形でのパンソリの演奏、熟練した歌い手の演奏に触れてみたいという思いがより強まりました。

その他のカテゴリー

2022年1月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ